作業療法士と理学療法士の違い
重い病気にかかったり、交通事故などが原因で心身に障害を負った人たちに対して、医学的なリハビリテーションを行う医療専門技術者、リハビリテーション系資格の中には、作業療法士の他に理学療法士や言語聴覚士、視能訓練士、リハビリテーション専門医、リハビリテーション認定看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの国家資格がありますが、ここでは主に作業療法士と理学療法士の違いについて説明します。
二つの資格の共通点
まず、共通点を探してみましょう。
二つの資格の共通点としては、前述のようにどちらもリハビリ系の国家資格で、その資格を保有していなければ名称を使用できない名称独占資格であり、その資格を持ってないと業務を行うことができない業務独占資格です。
さらに関連法律が理学療法士及び作業療法士法に一緒になっています。
作業療法士や理学療法士になるには、養成課程がある養成施設を卒業して国家試験を受験し合格する必要がありますが、養成施設の多くには、作業療法学科と理学療法学科がそれぞれある養成施設が多く見受けられます。
国立大学では、医学部保健学科に、理学療法学専攻と作業療法学専攻があるところも多いですし、公立大学や私立大学でも学部の下にそれぞれの学科が設置されています。
国家試験でも、願書受付期間、試験日、受験地、合格発表日も同じです。
受験科目もほとんど共通しており、作業療法と理学療法以外同じです。
厚生労働省発表の賃金構造基本統計調査・政府統計での年収等のデータも理学療法士,作業療法士をまとめて発表されています。
資格を設置した目的も理学療法士及び作業療法士法第1条にあるように、業務が、適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することです。
●理学療法士及び作業療法士法第一条名前も似てますので余計にどう違うのかという疑問が出てきます。
理学療法と作業療法
上記のように共通点が多く、どちらも医師の指示の下、同じような仕事をするのかと思いがちですが、よく見ると違います。
まず、「理学療法」とは、理学療法士及び作業療法士法第2条1項にあるように、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいいます。
●理学療法士及び作業療法士法第二条1項次に、「作業療法」とは、理学療法士及び作業療法士法第2条2項にあるように、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることををいいます。
●理学療法士及び作業療法士法第二条1項理学療法士はPhysical Therapist(PT)といい、手足の曲げ伸ばしといった基礎的な運動機能の改善、及び寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くといった身体の基本的な機能回復をサポートします。
歩行練習などの運動療法や、電気・温熱・光線などを使った物理療法を用いて、身体の機能や動作の回復をうながし、自立した日常生活が送れるようにバックアップが主な仕事です。
医療・福祉分野をはじめ、健康増進、スポーツ医学、スポーツトレーナーなどの分野にも活躍の場が広がっています。
一方作業療法士はOccupational Therapist(OT)といい、食事や更衣・入浴などの日常生活の諸動作や仕事・学習・レクリエーションなどの活動といった人の生活全般にわたる応用的・実際的な動作の改善、
及び社会生活適応能力の向上を主たる目的として行われます。
そのため作業療法では、その人に必要な心身の機能回復・維持及び開発を促すための適切な治療的作業活動が提供されたり、また望ましい環境調整が行われたりします。
作業療法士は躁うつ病及び摂食障害などの精神障害の患者さんも対象としており、幅広くリハビリテーションの医療現場で活躍しています。
要は、体を実際に動かして、基本的な体の機能回復を物理的にサポートするのが理学療法士。
対して、作業療法士は、食事、着替え、入浴、仕事、勉強、遊びなど普通の生活、日常生活を送れるように体だけでなく心もサポートします。
ということで、法律の理学療法と作業療法の定義にあるように、業務のすみわけがありますし、作業療法士のほうが、身体の障害に加え精神の障害も仕事内容の範囲内ですので、業務の範囲が広いといえます。
対象 | 業務内容 | 手段 | |
---|---|---|---|
理学療法士 | 身体に障害がある人 | 基本的動作能力の回復 | 治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段 |
作業療法士 | 身体又は精神に障害のある人 | 応用的動作能力又は社会的適応能力の回復 | 手芸、工作その他の作業 |
どちらの資格も患者さんはもちろん、ほかの医療従事者とも接する機会が多いので、人と話すことが苦にならないなどのコミュニケーションが求められます。
どちらもセラピストですので、心身が傷ついた患者さんを癒す必要があります。
理学療法士は、どちらかと言えば力作業ですので、体力に自信がある人に向いてる可能性があります。 作業療法士は精神、メンタルにまで範囲が広がっていますので、感性が鋭く寄り添っていける人に向いてる可能性があります。
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